2014年企画会議の旅 その1

月曜日。子ども おやこ劇場の企画説明会in関西へ。今年は初めてのプレゼンに挑戦中で、首都圏に続いて二回目の企画会議。(*バーバラ村田は今年から単独で子ども劇場企画作品に「ムーランルージュ劇場」を提出しています)

一回目よりは少し落ち着いて出来たかな。今まではパントマイムプラネット(チカパン)の後ろにくっついて時々参加してたのを、今年からは自分で資料作って看板背負って、大勢の前で話す。(パンプラに助けてもらいつつ…)
参加団体それぞれが5〜7分という持ち時間の中で作品や団体の説明をする。
お話の上手なひと、がちがちに緊張してるひと(私含め)、熱いひと、真面目なひと、ひょうきんなひと、ベテランから新人まで、話すひとは制作さんだったり演者だったり、色々。でも、たとえ超ベテランでもこの会議はすごく緊張するものらしい。
作品を説明するって難しい。普段から声は小さく押し出しも弱い私にとっては尚更。
他の人の説明を聴きながら考える。
一瞬でグイッと人を惹きつけてしまうひとがいる。必ずしもお話がうまいとは限らないし作品の内容はよくわからない場合もある。
そういうひとはたとえ緊張していても、力が入っていても、たぶん、無理をしていない。自分の中にないものを無理に出そうとしていない。自分の持ってるものを相手に届けることだけ考えている(ように見える)。
結局、人間力なんだなと思う。だから、怖いけど面白い。色んな魅力がある。
きっと私には私のお話の仕方があるんだろうな、と思う。

子ども劇場企画説明会in関西では、説明会の後に恒例の分散交流会というものがある。
各団体(劇団)と各子ども劇場の参加者が10人前後ほどのグループに分かれ、指定されたテーマについて二時間ほど語り合う。
今年のテーマは「劇場(会員)に入って生の舞台を観るとは?」というものだった。
(*註:「劇場」とは全国各地にある子ども劇場、おやこ劇場の略称。親子で舞台芸術を鑑賞することを通して感性を豊かに育てることを目的とした団体。会員が会費をプールして活動に充てる。)
劇場側の参加者は「どうして子ども劇場の会員になって舞台を観るのだろう」
劇団(創造団体と言います)側の参加者は「どうして子ども劇場に行って上演をするのだろう」
ということを考え、聴き、話す。
結論を出すことが目的ではなく、互いに聴き、話すことが目的。
舞台表現について、舞台鑑賞について、から始まって「観る力」を育てること、観る力のある観客によって今度は舞台表現が育てられる、という循環作用、また観たものについての感想を交わすことによって様々な価値観があることを学んでゆく、など。

安心できる、大人に守られた場所で、年の違う他の子どもたちやお母さん(たまにお父さんやおばあちゃん)たちと一緒に生の舞台を観る。
舞台には家族や親戚とも、学校の先生たちとも違う、大体において変わった大人がいて真剣に唄ったり踊ったり演奏したり演じたりしている。
劇場選びから準備、設営、進行も子どもたちも含めみんなで行う。
小さかった子が大きくなる。世話のかかる子が大きくなって小さい子の面倒を見るようになったり、登校拒否になってしまった子が劇場の活動にだけは参加していたり。大きくなった子が子どもを持って、また劇場の活動に参加するようになったり。勿論やめてゆく人もたくさんいるのだろうけれど、観劇を通してぐるりとらせんを描き乍ら繋がってゆく親子の活動。

学校とも家庭とも違う、別のあたたかく真摯な場所。他人に触れる場所。
それは子どもたちにとってだけではなく、おとなにとっても同じこと。
家族で、自分で、好きなものを観に行くのとは違う。自分の興味のなかったものにも触れる。
他人の感じ方や思いに触れる。創り、演じる人々と触れる。
他者を知ることは世界を広げることだと思う。
私もまた、今回初めて主体的に「劇場」と関わったことで新しい他者を、世界を知った。

舞台表現について、子どもについて、社会について、感性や想像力について、様々な立場から自由に、真摯に語り合うことが出来る場所がある。
今、という不穏な時代の中に小さく、けれど力強く灯る光を見たような気がした。

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