パントマイムの愉しみ〜Burlesk-O-Futuramaを終えて〜
昔の作品を再演するのは楽しい。
押し入れの奥から引っ張り出して埃を払ったり、油を注したり、繕ったり。
創った時の彩りはすっかり褪せていて、一度凹む。
同じ色にはもう二度とならないそれを今のからだで染め直す。
勢いとパッションで弾けるような、溌剌としていた色は褪せ、年月と今のからだを含んで染め上がる。
時間を経たことで本質がくっきり浮かび上がってくることもある。
5/16はバーレスクの祭典、Burlesque-O-Futuramaにてマイム小品「ストリップティーズ」を数年ぶりに上演しました。
バーレスクに特化したイベントの中にあることで作品の意図がより濃く浮かび上がる構図になったような気がします。
思いがけずたくさんの感想を頂きました。
普段は仮面や人形と共に演技する機会の多い私にとって、ホームグラウンドである筈のパントマイム直球勝負の作品を上演することは嬉しい反面、とても怖いことでもあります。
人形や仮面と共に演技することももちろん、怖いです。が、怖さの種類が違うのです。在り方、が近いようで遠い、遠いようで近い…ようで全然違う。
不安の中で迎えた本番。
内にこもらず、丁寧に。それだけを心掛けました。
最後の暗転の中、客席の音と空気を感じて、心の中で小さくガッツポーズをしてしまいました。
パントマイムは演じる「私」と観る「あなた」との間に像を結ぶ芸術だと私は思います。
私の想像力と創造力、あなたの想像力と創造力が長く長く手を伸ばしあってその指先に触れた刹那に映し出される、無数の絵物語。
そんな醍醐味をあの日、あまりパントマイムを知らない方々にも感じてもらえたような気がして、とても嬉しかったのです。
10年前に上演したソロマイム公演「よるべない女たち」を、今のからだでもう一度染め直してみたい、と思っています。
photo by KINOASA
Burlesk-O-Futurama
豪華絢爛な客席と舞台、着飾った人々、粋なミュージシャンにボードビリアン、かわいくて図太くてうつくしい女たち。
御来場くださったみなさん、企画のBAPS JAPONさん、MCから構成から裏方から表方まで八面六臂の大活躍だったCherry Typhoon、ほんとうに沢山のスタッフの皆様、お久しぶりや初めましての共演者の皆様、ありがとうございました。
さて、まだ再演ラッシュは続きます。
6/14(日)にはパルテノン多摩にてクラリネット奏者の中秀仁さんのオリジナル楽曲と共に「よるべない女たち」より「黒い帽子」を。
⚫︎第二回「クラリネットのたのしみ」
日時:6/14(日)13:00開演
会場:パルテノン多摩 小ホール
入場料:一般1500円・小中高生無料
http://www.parthenon.or.jp/music/2424.html
6/20(土)にはliquidbiupilさんの光と液体の映像と共に「玉姫遊戯」を。
こちらは十年ぶりに上演する演劇的パフォーマンス作品です。
⚫︎ネクラロマンチカ〜写真室の誘惑〜ネクラロマンチカはサイケデリックな夢を見るか?
日時:6/20(土)
会場:音楽実験室 新世界
開場18:00 開演19:00
料金:前売3500円 当日4000円(共に+1drink)
http://shinsekai9.jp/2015/06/20/nekura6/