旅の顛末(その弐)

●ポートランドでソールドアウト●

副題付けてみました。
そう、連日ソールドアウトだったのですよCandies in T:BAフェスティバル。
小さい劇場だったとはいえ(確か150人くらい)、やっぱり嬉しく、かといって入りきれずに50人くらい帰したと聞けば申し訳なく勿体なく。
前回ロンドン公演の時に客席がスカスカで悲しかったことを思うとああ!あの日のICA(ロンドンの劇場)にその50人を!とか叶わぬことを考えたり。

会場は老若男女幅広い年齢層で埋め尽くされ、始まる前から客席はまるでパーティ会場のような盛り上がりっぷり。
始まったら始まったで息を詰めて見守り、序盤のゆきちゃんの台詞でどっかん大笑い。相手役の私の台詞にかぶってかぶって仕方ない。
会場の作りのせいもあるかもしれないけども(コロシアム?って言うんですか、舞台面が一番低く客席が取り囲むようにそびえてる形)、客席との一体感と言ったらなかった。
今まで上演した5劇場中一番客席との距離が近く、その分些細な物音、仕草にも気を遣うし、本来正面から見せる演出のところを横にもお客さんがいるので180度意識を向けなくてはならない。今まで見えなかった部分もしっかり見えていたり。
難しい点は多々あれど、人の息づかいまで感じられるような空間で、密接な空気を作ることが出来た、ような気がする。

とはいえ利点に転じられることばかりではなく、この劇場の最大の問題点は床が固いことであった。
これは、ダイレクトに体に来る。
多分、普段はあまり踊りなどの上演に使われることはないんだろう。リノリウムの下はすぐコンクリだそうだ。
長く足を踏み鳴らさなくてはならないシーンがあり、特に私は強く音を出さねばならず、速攻腰に、というか骨盤に来た。
冷たく固い床から冷えもしんしんと凍みて来る。
初日、返し通し本番と三回足踏みシーンをこなした私の骨盤はもうへろへろ。まじで思った。「こんなんでこの先やってゆけるのかしら」って。
終演後、みんなはフェスティバルのイベントに行ったけど、私は部屋で休む。こんな時は省エネモードにして籠るに限る。

翌日、よく寝たお陰で体は大分回復していた。
この日はマチネ、ソワレの二回公演。
私と卯月さんはマチネとソワレの間でカイロプラクティックに行った。フェスティバルの実行委員の方の好意で、無償で診てくれる、というのだ。
カイロプラクティクっていうとぽきぽき鳴らす、って印象があったし、ましてや初めてのところは怖いし、終わってだるくなったらという不安もあったし、それに何よりこの日は割と快復していたので、最初遠慮しようと思ったのだ。
けどもその申し出がありがたかったのと、その後動くことを考慮した施術だ、ということだったのでものは試しと行ってみることにした。
大体最初に触られた時の感じで相性の良し悪しってなんとなく分かるですけど、この人は、大正解。
何も言わずとも「ああそこが調子悪いんだよー」ってとこに自然に手が来て、その後すぐに舞台があることも考慮した的確でソフトなケアでした。この後のツアー日程を乗り切れたのもここでこの先生に整えてもらったお陰かも。ありがとう名も知らぬ爽やか先生。

jakes1
jakes2

この日の夜、近所のレストラン「JAKES」で食べたキャラメルアップルパイアラモード。これを食べにもう一度ポートランドに行きたいくらい旨かった。

さむ
舞台監督のサムさん。いつも耳にフォークを差している。曰く「アクセサリー感覚」だそうだ。彼にはほんとにほんとにお世話になった。

ポートランド舞台

最終日終演後の記念撮影。

最終日にはスタンディングオベーション初体験。
終演後、他の公演を観に別の会場に行くと受付の人に「あ!ユビワ!」と言われました。「私、泣きそうになっちゃった。」とも。
終演後会場の前でたむろっているとまた別の女性グループに「ユビワ!ユビワ!」と声を掛けられた。
「何だか別世界に迷い込んだようだった。見終わって、表に出た時、空は青くて明るくて、めまいがしそうな気がしたわ。」と言われ、「th,thank you…!」としか言えない自分に歯ぎしり。
もう一度、ここに戻って来られたらいいなあ。

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コメント

  1. ああ、あのラストシーンが腰にきたのですね。しんどそう!私の母はお灸の療術師。実家に帰って一日大道芸三昧をした後は母の施術が待っている、という天国なのです。(親孝行は?とつっこまないように・・・。)目下母は長男(寅の兄)を仕込み中。物になったら貸し出しますね。

    Comment by 乙女 — 2006年10月12日 @ 8:27 AM

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