ムーランルージュ劇場inしんしろ
季節が突然塗り変わったような夏の終わり。そぼ降る雨の中、愛知県は新城市のしんしろ子ども劇場で「ムーランルージュ劇場」の上演に行ってまいりました。
7月の事前ワークショップには50人を超える会員さんが集まり活気に溢れまくって気圧されそうになったしんしろ子ども劇場。
8月だというのに肌寒い東京から向かった新城市ちさと館は、さらなる熱気と活気でムーランルージュ劇場を迎えてくださいました。
その音色は決して所謂「良い音」ではないけれど、味わい深いしゃがれ声のような優しさを醸し、いつもみんなが遊びに来ているちさと館がひととき、小さな劇場になります。
最初の暗転で一瞬ざわついた会場が次第次第にぎゅっと集中してゆくのを感じてバーバラうさぎもピエールも一層活き活きと踊り出し。
暗闇に浮かび上がる顔がふたつのお姫さまを更に深く深く見つめてくれたたくさんの瞳の奥には一体どんな物語が浮かんでいたのでしょう。
恥ずかしがりながらもイーガルと一緒に即興で鉄琴を奏でてくれた女の子。夏の夜空に小さく瞬くお星さまのような一曲でした。
ロミオとジュリエットのロミオ探しのシーンでは逃げまどう中学生男子たちの悲鳴で阿鼻叫喚の桟敷席。
そんな中、捕まってしまったイガグリ頭のロミオ君は観念したのかしっかりとドタバタジュリエットのお相手を務めてくれました。
お土産は手作りのムーランルージュ巾着の中に詰まった新城の特産品。
朝獲れブルーベリーに葡萄、新城茶に、会員の男の子が掘ってきてくれた里芋とさつまいも。
ひとつひとつ説明してくれました。
ありがとう、おいしく頂きます。
終演後は「観た後会」という小グループに分かれての感想交流会。(ちなみに事前ワークショップは「観る前会」)
バーバラとイーガルも各グループに少しずつ参加させてもらいました。
小さな会議室にぎゅうぎゅうに詰まってお話しするみんな。
ひとつひとつの演目に偏りなく質問が出て、片付けに戻った私のところに更に質問に来てくれました。
中学生男子グループは「ムーランルージュのテーマ」がお気に召したらしく、「あの曲は誰が作ったんですか?」(作詞バーバラ、作曲イーガルです)
小学校高学年の女の子の質問は「顔がふたつのお姫さま、っていうお話があるんですか?それとも自分で作ったんですか?」(あのお話はバーバラ作です)
そこから広がってゆく、「自分」や、「自分の中の他人」や、「他人の中の自分」の話。
「こんな例会は初めてでした」と、帰りの車が発車する間際まで私の手を握って、真っ直ぐな眼で感想を話してくれたお母さん。
お見送りは中学生男子のムーランルージュ替え歌、男声コーラスで。
まーわる まわーるよー
ムーラン
イスタンブール♪
(以下繰り返し)
みんな、みんな、ありがとう。
昨年の企画会議での私のプレゼンをきいて呼んでくださったということが更に嬉しく、また励まされました。
またみなさんに会いに行きたいです。